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飯山市でCOR-TEN®を見学してきました‼

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飯山市でCOR-TEN®を見学してきました‼

名古屋から特急に揺られて3時間、さらに長野駅から北陸新幹線で1駅金沢側の飯山駅に降り立ちました。


駅はまだ新しく、2015年の北陸新幹線の開通に合わせ、2014年に運用を開始しています。外観は「雄大な大地と伝統美を感じさせる駅」というデザインで、雪山と和紙をイメージしているそうです。


スキーシーズン前の11月で乗降客も多くはありませんが、今回の目的は、飯山市の耐候性鋼COR-TEN®(コルテン)に関連する施設を巡ることです。(COR-TENについては、このブログでも、すでに紹介していますので、参照ください。)

街を歩き出すと、道路や歩道が茶色になっているのに気が付きます。飯山市は豪雪地帯のため、冬場に融雪のために地下水を流しているのですが、それに含まれる鉄分の影響で色付いているようです。


COR-TENは表面のさびを活用して、防食と景観を兼ねているので、イメージは茶色になりますが、街の様子とマッチしそうな雰囲気を感じます。

日本聖公会飯山復活教会

最初に向かうのは、日本聖公会飯山復活教会です。この教会は、1932年に建設されており、90年以上の歴史を持つことから、飯山市民にとっては、原風景のひとつになっているそうです。

この教会を美術家の田窪恭治氏が初めて見たとき、運命的な出会いを感じたそうです。というのも、田窪氏は、フランス・ノルマンディー地方の16世紀に建てられた礼拝堂を10年かけて再生させた「林檎の礼拝堂」プロジェクトの本人であり、この教会が非常に似ていたからということです。


後で出てくる、飯山市の中心街の活性化をはかるプロジェクトともリンクしてこの教会の整備が進められていきます。


その一つに、田窪氏と日本製鉄が生み出したCORQ®と呼ばれる耐候性を持つ鋳物で作った、敷石代替の製品を並べたエントランスがあります。道路から教会入り口に続く、幅2m、長さ10mほどの通路に、CORQが敷き詰められています。9年ほど経過していますが、さび色が落ち着いた感じで、景観にマッチした状況になっています(写真1)。


この教会では、街のイベントも開かれるそうですが、市民の方も違和感なく、CORQを踏みしめているのではないでしょうか。

写真1 CORQ®の使用例(飯山復活教会)

田中屋酒造店

次に、向かうのは田中屋酒造店です。徒歩で5分も掛からないくらいです。目的は、水と米と製法にとことんこだわった「水尾」という、おいしい地酒を飲みに行くことではありません。


ここの田中隆太社長は、「歴史とロマンを感じ芸術性あふれる街へ」をコンセプトにもつ「いいやま広小路会議」の代表で、街の活性化を図っています。創業150年を越え、地元に根差す田中社長の情熱が、田窪氏とも意気投合し、プロジェクトを進めました。


自身のお店も建て直しましたが、その際に、3階のベランダに、CORQを敷き詰めました。個人宅であり、今回、特別に拝見させていただきましたが、いい感じに茶色く変化しています。

熟成の重要な酒屋さんで、外観からはわかりませんが、毎年更新される杉玉の下で、CORQも徐々にさび色が熟成していると思うと、趣を感じます。わずかな時間でしたが、田中社長の街に対する愛情と酒造りへのこだわりを十分に感じることができました。なお、お酒は、奮発して純米大吟醸をお正月用に買って帰りました。お正月が待ち遠しいです。

写真2 CORQ®の使用例(田中屋酒造店)

飯山市文化交流館 なちゅら

最後に向かったのは、駅前に戻って、「飯山市文化交流館 なちゅら」です。「なちゅら」は飯山の自然を表した愛称です。この施設は、駅に降り立った時から見えていましたが、最後にとっておきました。駅側からは木材が目立っていましたが、裏から近づくと、COR-TENの茶色が目前に広がります。

飯山駅徒歩5分にあり、2016年竣工の建物で、設計は隈研吾建築都市設計事務所です。外観は地元のカラマツとCOR-TENの組合せで、自然との調和がコンセプトです。


北面と西面はCOR-TENで覆いつくされており、COR-TENの茶色が自然になじんでいます。初期状態は、ショットブラストとのことで、いわゆる裸使用と呼んでいる方法です。9年近く経過した割には、比較的さびの進行が遅いように見られ、明るいさび色の印象はありますが、今後時間をかけて徐々に濃くなっていき重厚感もでてくるものと思います。この経時変化はCOR-TENの楽しみのひとつでもあります。


正面に回ると、「なちゅら」の文字サインがあります。COR-TENの角鋼管でできていますが、立体的な組み合わせになっており目視では読み取りにくいのですが、同じ目線でカメラを通すと文字が明瞭に見えてきました(写真4)。カメラをどこまで意識して作成したかはわかりませんが、面白い体験のひとつでした。

写真3 COR-TENの使用例 (飯山市文化交流館 なちゅら)
写真4 COR-TENの使用例(飯山市文化交流館 なちゅら文字サイン)

飯山市は人口18000人の小さな市ですが、歴史のあるお寺も多く、秋の紅葉もきれいでした。

COR-TENの似合う街、飯山はまた訪れてみたいと思わせる街でした。

写真5 西敬寺の紅葉
  • CORQ®は田窪恭治と日本製鉄の登録商標です。
  • COR-TEN®はUS STEELの登録商標です。
  • 1) 日本製鉄 COR-TEN®カタログ

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